9.信楽焼の酒器で日本酒を楽しむ

粉引きのような、優しい白い釉薬に覆われた酒器。
帯状に抜かれた胴部には魚が泳いでいます。
表面はしっとりとして、手に馴染みも良く、触感も気分の良いうつわです。
寒くなると熱燗の占める割合が徐々に増えてきます。
今のところ9対1で、焼酎ロックですが、 おでん、鍋ものには、もう日本酒にいってしまいます。
酒呑みにとっては、料理と酒の相性というのは決して無視できません。
この相性というのは、人によってさまざまでしょうが、結構譲れない部分が多かったりします。
だからその日の料理によって、焼酎、日本酒、ビール、ワインを飲み分けています。
いつも必ず同じお酒しか呑まないというのは、私はちょっと信じられません。
さて、森脇文直作の小振りの織部皿には、身の締まった北海道産のシシャモあたりいかがですか?
こんな素敵なおさら盛り付ければ、もうご馳走です。
ポリエチレンの容器のまま、醤油をかけて食べるようなことは間違ってもしません。
私の大好きな晩酌のひとときを、心豊かに過ごすためのうつわを選びます。
ほんの少しの「手間」とも言えない程度のことです。
荒井明子さんの著書に「うつわがごちそう」というのがありました。
言いえて妙。

(記 07/11/25)
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